あの時よりはマシです
私の経験から生まれた言葉で、あなたの心を軽くしたい。
ちょっとしたことなのに、すぐ不安を感じてしまう。
きっと大したことじゃないんだ。
今の不安な気持ちは、考えすぎってことだね。
もう怖いと考えてしまう山はたくさん越えてきた。
怖い物なんて何もないだろ。
ちょっと誰かの視線が冷たく感じるときや、無言で通り過ぎられた時など。はたから見れば、なんでもないことなのに、私はネガティブに捉えすぎていた。だから、いつも緊張していた。脳では、不安や恐怖を感じる中枢の偏桃体が興奮していた。この興奮が非常に高まりやすい状態なので、脳はオーバーヒートしてしまう。脳は一つのことをずっと考え続けてしまうと良く働かない。だから、一刻も早く緊張を解きたかった。
そんな時私は、今の苦労よりも更に苦労だった過去のことを思い出した。今の苦労よりも大きいというのがポイントだ。過去の苦労というのは、思い出そうとすると、より度合いを増して苦労だったと感じられるので、探さなくても頭に浮かんできやすい。そして、その苦労を今の苦労と比較して、今の方がマシに感じられるようにした。
本当に辛い山は、もう越えてきたのだと思えると楽になった。あれ以上の苦労ではないと思えると、緊張が少し解けた。あくまで、一時的な効果だとしても、現状を改善することが出来た。緊張しやすい状況に変わりはなかったけれど、自分の心に問いかけて、あの時よりはマシと言い続けていた。
自己啓発の本などでも、思い描くビジョンに最悪な想定をして、対処の仕方を考えておくと、おもいきりのよい行動がとれるのだという。私の場合も、より辛かった時のことを思い出して、前を向いていた。
そしていつしか、怖い物なんて何もないんだ。と自分の背中を強く押そうとまで立ち直ってきた。緊張しやすい状況に変わりはなく、いつも緊張していたかもしれないが、その中でも私は気持ちを強く持ち、挑む姿勢を作ることができた。